私が設計に携わった家でこんなことがありました。その家のご主人は、男性用のトイレを設置して欲しいと望んでいました。昔の家には、大便器の他に小便器がしつらえてあったのが普通で、いまでも便器を分けて欲しいと望む男性は少なからずいるものです。ところが、この家庭では、その希望は削られてしまいました。奥さんの主張はこうです。「大は小を兼ねるし、第1、掃除をするのは私です」奥さんのおっしゃるのはもっともです。ご主人としては、反論の余地がありません。
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このように、子育てを含めた家事全般を手伝う意識のない男性は、家づくりでも主導権を発抑することができず、彼の要望はプランには組み込まれないのです。見直されるべきは、父親の家庭参加であり、意識改革でしょう。家庭参加とは、家事の分担だけを意味するのではありません。その他にも、父親の果たせる役割はあるはずです。仕事が忙しいという言い訳はもはや通じません。戦後社会がサラリーマンを急激に増やしてしまった結果、家庭と仕事は分離されてしまい、寝に帰ってくるだけの父親の意見は、家をつくるという家族の一大事業にさえ反映されなくなり、主婦の立場から見た使いやすさと子供部屋の確保だけが優先されるようになっています。